研究課題/領域番号 |
26860388
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
萩原 裕子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90468207)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | パッチクランプ法 / 分界条床核外側部 / Venus / 痛み / DARPP32 / ホルマリン / シナプス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、パッチクランプ法による電気生理学的な手法を用いて、分界条床核外側部のCorticotropin releasing factor (CRF) 陽性ニューロンの電気生理学的な特徴と痛みの関係を調べることにある。そのためには、CRHのプロモーターの下流に蛍光物質を発現させた遺伝子組み換えマウスの存在が必須となる。これまで色々と試みたが、現在進行している研究では、CRH遺伝子のVenusノックインマウスを用いて、電気生理学的な解析を行うことを目的にしている。いくつかの研究をおこなっているが、これまでは有用なマウスの作成に至っていない。現在はC57BL/6N-Crh<tm1(Venus)Ksak>マウス(CRF (Corticotropin releasing factor)遺伝子のvenus ノックインマウス(エクソン2の開始コドンATGにVenus-frt-flanked-PGK-neoカセットが挿入されているマウス))からPKG-neo cassetteを除いたCRF-VenusΔNeoマウスを使用することを目的としている。Venus蛍光強度がより強い改変型であり、視床下部室傍核、分界条床核外側部などのCRF発現細胞にてVenus由来の強い蛍光を示す(Endocrine Society OR17-6)。従って今回の実験に最適なマウスと考え実験に使用したい。同時に、同じ部位でドーパミンニューロンのdopamine- and cAMP-regulated phosphoprotein 32 kD (DARPP32)の蛍光を発するB6.Cg-Tg(Drd1a-tdTomato)6Calak/Jマウスを用いて、分界条床核外側部Dopamine D1受容体発現細胞に対して同様の実験を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
パッチクランプ法による電気生理学的な手法を用いて、分界条床核外側部のCorticotropin releasing factor (CRF) 陽性ニューロンの電気生理学的な特徴と痛みの関係を調べる。そのためには、CRHのプロモーターの下流に蛍光物質を発現させた遺伝子組み換えマウスの存在が必須となる。その作成にいまだ成功していないため。
|
今後の研究の推進方策 |
今回の研究では、CRH遺伝子のVenusノックインマウスを用いる。これまで、レポーターをつかった遺伝子組み換え動物では作成成功に至っていない。蛍光物質の発光が弱すぎることに起因すると思われる。今回はC57BL/6N-Crh<tm1(Venus)Ksak>マウス(CRF (Corticotropin releasing factor)遺伝子のvenus ノックインマウス(エクソン2の開始コドンATGにVenus-frt-flanked-PGK-neoカセットが挿入されているマウス))からPKG-neo cassetteを除いたCRF-VenusΔNeoマウスを使用する。Venus蛍光強度がより強い改変型であり、視床下部室傍核、分界条床核外側部などのCRF発現細胞にてVenus由来の強い蛍光を示す(Endocrine Society OR17-6)。従って今回の実験に最適なマウスと考え実験に使用する。同時に、同じ部位でドーパミンニューロンのdopamine- and cAMP-regulated phosphoprotein 32 kD (DARPP32)の蛍光を発するB6.Cg-Tg(Drd1a-tdTomato)6Calak/Jマウスを用いて、分界条床核外側部Dopamine D1受容体発現細胞に対して同様の実験を行っている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
備品ピブラトームは別の予算で購入され、また、ジェノタイプのために必須のPCR機器が壊れたため代替え機を購入し、その差額がでたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は、今年度やり残した電気生理学的な解析で消耗品がかなり見込まれるので、それらに使用する。
|