本研究は、慢性疼痛の一つである神経障害性疼痛の発現時にみられる炎症性サイトカインが内臓、特に下部尿路の自律神経制御に与える影響について調べることを目的として行われた。 炎症性サイトカインを脊髄に灌流投与を行ったところ、頻尿を誘発するサイトカインと、排尿間隔を広げるものがあることがわかった。また、下部尿路から脊髄への伝達では膀胱と尿道のそれぞれから別々の神経を介して情報が伝達されることがわかった。これらの結果から、下部尿路から脊髄へ入力された圧変化や知覚の情報は複数の種類の細胞に伝達され、これらの細胞にサイトカインが作用し、排尿に影響を与えることがこれまでの研究によって示唆された。
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