研究課題/領域番号 |
26860392
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研究機関 | 独立行政法人労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 健一郎 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 健康障害予防研究グループ, 研究員 (30548384)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | X線 / PET / ナノ粒子 / がん / 治療 / 脳 / グリア / 血液脳関門 |
研究実績の概要 |
本年度は、金ナノ粒子の癌細胞標的化を達成するために、リン脂質被覆金ナノ粒子の作製並びにPETトレーサー化について検討を行った。具体的には、4種類(ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸) のリン脂質被覆金ナノ粒子の作製法を確立した。また、放射線同位体(64銅)を用い、これらのリン脂質被覆金ナノ粒子のPETトレーサー化技術を構築した。他方、ラットグリオーマ細胞におけるリン脂質被覆金ナノ粒子の取り込み量を解析した。さらに、リン脂質被覆金ナノ粒子をマウス尾静脈により投与し、PETイメージング装置を用い体内動態を評価した。以上の結果から、リン脂質の種類によって、細胞内への取り込み量や各臓器における集積率が異なることが明らかとなった。今後、グリオーマを皮下に移植したマウスを用いリン脂質被覆金ナノ粒子を腫瘍へ集積させ、金ナノ粒子表面における光電効果から、グリオーマの増殖抑制効果を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画の通り、リン脂質被覆金ナノ粒子を作製し、PETトレーサー化を達成した。さらに、がん細胞に集積させることができている。
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今後の研究の推進方策 |
光電効果による癌治療評価では、単色X線ビームの照射システムを構築した上で、単色X線ビームのエネルギー値とドーズ量を変化させ、金ナノ粒子表面における光電効果から癌細胞の増殖抑制効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬購入にあたり、業者のキャンペーン等により4374円の次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
試薬を購入する予定である。
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