本研究は、ヒアルロン酸(HA)を組み合わせた放射線腫瘍治療実現にむけ、金ナノ粒子(GNPs)を含むホウ素化合物を使用し評価を行った。ホウ素-HA(BHA)はラット実験で腫瘍および健常組織で異なる蓄積を示した。BHAのキレート結合に関しては、試験薬剤の安定性向上のために重要と考えられた。また、加速器ベース中性子源を使用しGNPsとホウ素-フェニルアラニン(BPA)によるホウ素中性子捕捉療法の実験も行い、吸収中性子線量を推定しその有効性を評価した。本手法は、高Z元素を含む合成ホウ素化合物を用いた場合の線量吸収中性子を測定できるほか、同位体走査及び陽電子放出断層撮影法(PET)にも応用可能と考える。
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