研究課題/領域番号 |
26860396
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
久保田 佳樹 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (40583076)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超音波 / 吸気 / 呼吸同期 / 動体追跡 / アーム |
研究実績の概要 |
平成26年度は部屋座標系と超音波座標系の統合法について検討した。方法として、外部カメラ(Kinect, Microsoft Co.)により超音波プローブを撮影し、カメラ座標系とプローブ座標系を統合する方法を用いた。結果として、深さ方向の統合誤差が約2mmであった。予備実験として行った単眼カメラによる統合位置誤差についても1~2mmあることが分かっており、実際に安価な外部カメラシステムでは1mm以下の精度での位置統合は困難であることが示された。重粒子線治療においては1mm以下の精度で照射位置を合わせこんでいるため、2mmの誤差は許容できない範囲であると判断し、当初の予定から変更し、座標系統合を高精度に行うことが可能な別の方法について検討した。検討した方法としては、超音波プローブの固定アームについて現状の油圧性機能を有するフリーハンド固定方法から、機械制御固定方法について検討した。この方法を使用する利点としては、固定アームの移動に対して、その移動量を機械的に検出可能であり、固定したプローブの移動に対して相対的な移動量を検出可能であるためである。また、その機械制御には理論値として0.1mm以下の精度が実現可能であり、プローブ位置検出においても1mm以下の高精度な精度が期待できるためである。本年度は固定アームの基本設計について検討し、次年度での購入を予定している。 また、腫瘍位置ずれ量計算方法の検討については、以前より開発・検討していたずれ臓器運動を定量化する方法について論文誌に発表することができた。現在、この方法を用いて位置ずれ量を計算するアルゴリズムについて検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腫瘍位置ずれ量計算アルゴリズムについては、一部の基礎的な部分について論文誌で報告することができた。しかし位置座標系統合について、当初予定していた外部カメラを用いる方法が使用できないことが判明し、別の方法の検討が必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度には、平成26年度に検討した位置検出が可能な固定アームを開発し、その位置検出精度についてファントムを用いて検証する。また、腫瘍位置ずれ量計算法のアルゴリズムを検討し、プロトタイプを開発する。上記の2点が終了し次第、座標系統合方法および位置検出方法を統合した方法についてファントムを用いて検証し、その精度を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた外部カメラを用いた座標系統合方法から、固定アームを用いた機械的な統合方法へ変更する必要ができた。平成26年度研究費では固定アームを購入することが不可能であったため、平成26年度の研究費を次年度に持ち越して固定アームを購入する方針に切り替えた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度持越し研究費と平成27年度研究費を合わせて位置検出が可能な固定アームを購入予定である。
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