研究課題
本年度は、ミネソタ大学と協力し、膀胱を模擬したDeformableファントムを開発し、低コントラスト臓器内でのRegistration精度の評価を行った。膀胱模擬ファントムに、0-70Nの力を加えて変形させ、それぞれの力をかけた状態でCT撮影を行った。ファントムには金属マーカーが21個埋め込まれており、各変形画像と変形しない場合の画像間でDeformable registrationを行った際の誤差を評価した。Deformable registrationには、画素値の二乗誤差をコスト関数に用いる手法と、相互情報量を用いたB-spline法の2種類を使用した。金属マーカーがある状態で位置合わせを行った場合、加える力(変形量)が大きくなっても、registrationの誤差量は4mm以下であった。一方で、すべての金属マーカーを周辺のCT値で埋め、画像から消去した場合には、加える力が大きくなる(変形量が大きくなる)につれて、registrationの誤差も大きくなる傾向があった。本研究は、我々の知る限り、低コントラスト領域内でのDeformable registrationの評価を行った初めての研究であり、今年度の研究結果はMedical physics誌に掲載された。本研究のこれまでの成果は、Total Marrow Irradiationに関する国際研究グループ内で、様々な研究に応用されており、本研究費を通して医学物理・放射線技術学領域における基盤技術の開発に成功したと考える。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Medical Physics
巻: 43 ページ: 52-61
10.1118/1.4937935
Jacobs Journal of Radiation Oncology
巻: 2 ページ: 1-6
http://www.u-tokyo-rad.jp/