研究課題
本研究の目的は、高線量率小線源治療におけるアプリケータと移送チューブの接続間違いを防止し、放射線治療の安全性を向上させることである。接続間違いを感知する方法として、チェックケーブルの走行位置を磁場の乱れから推測する方法を採用した。チェックケーブルの役割は、治療用の線源を使用する直前の線源進路の確認である。磁場発生装置としてリング型のフェライト磁石を使用し、磁力検出器としてホール素子(AT1324LUA-T)を用いた。チェックケーブルには、磁性体のステンレスを用いた。チェックケーブルがフェライト磁石の中を走行する際に、フェライト磁石から発生している磁力線が乱れる。その乱れは、チェックケーブルの走行位置によって規則性があるため、ホール素子で磁場強度を測定する事により、チェックケーブルの位置を推測出来る。装置は、株式会社千代田テクノルと共同開発した。本年度は、チェックケーブルの走行位置推測の分解能向上、装置の小型化に取り組んだ。分解能は、ホール素子とチェックケーブル間の距離に依存し、距離が離れるほど分解能は低下した。その分解能を向上させるため、ホール素子の数を4個から6個に増設した。また、装置を小型にするために、使用するリング磁石の磁力強度を上げた。ソフトウェアもノイズ除去が出来るように改良した。さらには、無線装置を取り付け、各ホール素子からの信号をワイヤレスでPersonal Computerに受信出来るようにした。この装置は、非接触型のため患者負担が少なく、簡便に測定が可能であるため、アプリケータと移送チューブの接続間違いを検知するシステムとして有効であると考える。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Radiation Oncology
巻: 10 ページ: 126-132
10.1186/s13014-015-0430-8.