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2015 年度 実施状況報告書

震災が妊婦の健康に及ぼす影響及び災害時の医療システムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 26860412
研究機関東北大学

研究代表者

石黒 真美  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (10632242)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード社会医学
研究実績の概要

「母子健康手帳・家庭自己測定血圧に基づいた三世代(祖父母、父母、児)の血圧・環境・遺伝要因関連と生活習慣病発症に関する研究(BOSHI研究)」では追跡調査を開始し、これまでに60人の追加同意を得た。次年度は追跡調査により産後の女性に対する震災後の長期的な影響を含めて解析を進めていくことを予定している。今年度は母親605人の妊娠中の血圧と四群にわけてランク付けした児の出生体重(3500g以上、3000-3499g、2500-2999g、2500g未満)との比較をした。随時血圧及び家庭血圧の収縮期血圧では出生体重との関連は認められなかったが、拡張期血圧において1SD増加ごとの調整オッズ比はそれぞれ1.06(95%CI:0.87-1.30)、1.28(95%CI:1.04-1.58)であった。同様に随時血圧及び家庭血圧の平均血圧における1SD増加ごとの調整オッズ比はそれぞれ1.02(95%CI:0.83-1.24)、1.29(95%CI:1.04-1.59)であった。家庭血圧における拡張期血圧及び平均血圧が高値の場合は児の低出生体重のリスクが高い可能性を明らかにした。
また、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」の震災後の妊婦の産後に与える影響についても計画しており、血液のデータについては出産時までのデータが全固定される次年度に研究を進める予定である。本年度はうつ病の尺度であるK6について宮城県の妊婦998人と他県の妊婦6475人で比較したところ、カットオフ値の13点以上であった妊婦の割合が宮城県では4.9%、他県では3.1%と宮城県の妊婦で有意に高いことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は国内外の妊婦健診の診療内容について項目別の分類も進めている。また、エコチル調査のデータについては全固定がまもなく完了する予定となっており、固定後には速やかに解析を開始するために最新の先行研究のレビューなどにより準備を整えている。また、次年度に予定している国外での調査については、先方の担当者と具体的な調整を開始しており、本研究はおおむね滞りなく進展している。

今後の研究の推進方策

BOSHI研究の追跡調査のデータやエコチル調査のデータから、妊婦への震災の影響についてさらに詳細に検討していく。国外の調査については情勢を鑑みながら調査時期を検討中である。

次年度使用額が生じた理由

国外での調査について、受け入れ先との調整を本邦で実施することができた。

次年度使用額の使用計画

最終年度の成果創出のための旅費、英文校正費等に必要である。また、調査票調査のための医療機関等との詳細な調整のために、交通費が必要である。海外における調査においても現場の予定に合わせて調査を進めるため、研究を遂行するために十分な調査票等の必要資料作成費及び旅費に必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Maternal clinic and home blood pressure measurements during pregnancy and infant birth weight: the BOSHI study.2016

    • 著者名/発表者名
      Iwama N, Metoki H, Ohkubo T, Ishikuro M, Obara T, Kikuya M, Yagihashi K, Nishigori H, Sugiyama T, Sugawara J, Yaegashi N, Hoshi K, Suzuki M, Kuriyama S, Imai Y; BOSHI Study Group.
    • 雑誌名

      Hypertens Res.

      巻: 39 ページ: 151-157

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Psychological distress during pregnancy in Miyagi after the Great East Japan Earthquake: The Japan Environment and Children's Study.2016

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Z, Iwama N, Nishigori H, Nishigori T, Mizuno S, Sakurai K, Ishikuro M, Obara T, Tatsuta N, Nishijima I, Fujiwara I, Nakai K, Arima T, Takeda T, Sugawara J, Kuriyama S, Metoki H, Yaegashi N; Japan Environment & Children's Study Group.
    • 雑誌名

      J Affect Disord.

      巻: 190 ページ: 341-348

    • 査読あり
  • [学会発表] 出産歴と妊婦の白衣効果との関連:BOSHI研究2015

    • 著者名/発表者名
      石黒真美、小原拓、目時弘仁、大久保孝義、岩間憲之、八木橋香津代、菊谷昌浩、八重樫伸生、星和彦、鈴木雅洲、栗山進一、今井潤
    • 学会等名
      第27回血圧管理研究会
    • 発表場所
      メルパルク京都(京都府京都市)
    • 年月日
      2015-11-28 – 2015-11-28

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公開日: 2017-01-06  

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