研究課題
三世代コホート調査の対象層に実施した震災後のニーズを明らかにするアンケート調査について、284人の回答結果を分析した。その結果、長期にわたる震災の影響を調査して住民の健康を見守る調査について、94.7%の方が「ぜひ協力したい」あるいは「協力してもよい」と回答していた。また、健康調査の内容について、調査票調査や血液検査については半数以上の方が参加したいと回答していたが、家庭血圧測定については参加意向のある方は35.6%にとどまった。一方で調査の結果については72.9%の方が回付を希望していた。震災後には心血管疾患や高血圧症の増加が懸念されているが、本研究の結果を踏まえて住民の方々に震災と血圧の関連や血圧測定の重要性について紹介していく必要性が浮かび上がった。また、看護職を対象とした血圧測定に関する認識のアンケート調査について、6,002人の回答結果を分析した。家庭血圧が随時血圧よりも重要である、あるいは家庭血圧と随時血圧はどちらも重要であると回答している方は90%を超えていたが、高血圧診断基準である家庭血圧値を正しく認識していた方2.8%と低い結果であった。随時血圧値についても正しく認識していた方は9.9%であった。看護職の職種別では助産師が看護師・保健師と比較し家庭血圧値、随時血圧値どちらの高血圧診断基準も正答率が高かったが、助産師でも高血圧の診断基準となる家庭血圧値、随時血圧値の正答率はそれぞれ5.6%、15.2%にとどまった。本研究の結果については高血圧治療ガイドライン等各種ガイドラインの更新が影響していると考えられるが、看護職の高血圧に関する認識を高め、高血圧の早期発見、予防に取り組む必要があると示唆された。
3: やや遅れている
本研究においてインドネシア等海外での調査を予定していたが、社会情勢の悪化により渡航の延期を余儀なくされた。
引き続き海外での調査について先方と連絡を取りながら進めていく。また、最終年度として成果報告に努める。
国外での調査について情勢不安定で渡航できなかったため次年度使用額が生じた。
国外での調査についての資料作成、旅費に使用する予定である。また、成果報告のための旅費、英文校正費等に使用する予定である。
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巻: 34 ページ: 210-217
Prehosp Disaster Med.
巻: 31 ページ: 330-334