2014年から2015年に,松本市の全ての公立小学校29校の児童13217名を対象に季節性インフルエンザの発症に関する疫学調査を実施した。その結果2548名から発症の回答を得た。発症日を評価した結果,松本市中心部では近い時期に各学校で発症者を認めたが,遠隔地では拡大に時間を要していた。学校別の発症割合を評価した結果,0%から50%と幅を認め,学校内のワクチン接種割合が高いほど発症割合は低かった。インフルエンザ対策の効果を評価すると,ワクチン接種者とマスク装着者は発症割合が低かった。本研究期間中に学校閉鎖は実施されずその効果を検証できなかったが,ワクチンとマスクの有効性を示すことができた。
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