研究実績の概要 |
本研究の目的は、母子保健事業データを二次利用した疫学研究を通じて、(1)口腔ケア・生活習慣・胎内環境と虫歯(う歯)発生との関連を調べ、(2)寄与割合という疫学指標によりう歯発生への寄与が大きい因子を特定し、(3)研究成果を、適切な予防政策の決定・実施を通じて市民・地域へ還元する政策決定モデルを構築することである。平成27年度までに予定された統計解析を完了し、得られた知見である受動喫煙とう歯発生の関連について学術雑誌・学会で公表した。平成28年度は、計画時の目的に加え(4)生活習慣・胎内環境と尿検査異常発生との関連について統計解析を行い、解析結果を学術雑誌・学会で公表した(Tanaka S, Shinzawa M, Tokumasu H, Seto K, Tanaka S, Kawakami K. Secondhand smoke and incidence of dental caries in deciduous teeth among children in Japan: population based retrospective cohort study. BMJ. 2015 Oct 21;351:h5397.)。Clinical Journal of the American Society of Nephrology誌では、受動喫煙と3歳児尿検査異常発生との関連を論文にまとめた(Shinzawa M, Tanaka S, Tokumasu H, Takada D, Tsukamoto T, Yanagita M, Kawakami K. Maternal smoking during pregnancy, household smoking after the child's birth, and childhood proteinuria at age 3 years. Clin J Am Soc Nephrol. 2017 Feb 7;12(2):253-60.)。日本腎臓病学会では低出生体重児と3歳児尿検査異常発生との関連および睡眠時間と3歳児尿検査異常発生との関連について報告した。後者は、Best Asian Session Oral Awardを受賞した。
|