【研究の具体的内容】これまで我々は、データベースの読影を行いびまん性特発性骨増殖症(以下DISH)の有病率は10.8%(男性22.0%女性4.8%)であり、前縦靱帯骨化症(以下OALL)は下位胸椎から始まり上下椎間の骨化が進行すること腰部脊柱管狭窄症や変形性膝関節症と有意な関連を認める事を明らかにし、Journal of Bone and Mineral Metabolismに掲載された。また、腰椎骨密度と関連を認めるが大腿骨骨密度との関連は認めない事、胸椎後弯とDISHが関連している事、腰痛との関連は認めないことを明らかにし今後英語論文に投稿する予定である。今後1690人という大規模の一般住民コホートにおいてベースライン調査のX線を引き続き、DISHと診断した全対象者に追跡調査を行い、DISHの疫学的実態のみならず、DISHの予後(脊椎骨折や脊髄損傷の発生との関連、運動機能、ADL、QOL、要介護移行の有無、生命予後)やDISH新規発生の危険因子が明らかになる。 【研究の意義】本研究で整形外科領域におけるDISHの病的意義を明らかにし、DISHの有病者のみならず高齢者のADL及びQOLの維持増進に寄与できるものと確信している。 【本研究の重要性】DISHの自然経過を解明した報告は現在まで皆無であるため、DISHの有病者の予後が悪いかなどについても質の高いエビデンスを提供する事ができる。
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