本研究は、新たに開発された非侵襲的内臓脂肪測定器(医療機器の認可済み)を用いて内臓脂肪蓄積度を評価するとともに、メタボローム解析により内臓脂肪蓄積に関連する代謝物マーカーを明らかにするとともに、代謝物マーカーに食事摂取が与える寄与について明らかにすることを目指した。 平成27年度は、平成26年度と同様の食事調査を都市部住民ボランティアを対象に実施する予定であったが、平成26年度実施のデータセットの整備に時間を要したため、実施を見送らざるを得なかった。しかし、同様の食事調査ならびに内臓脂肪測定をすでに実施しており、尿検体のメタボローム解析が可能である他研究機関との共同研究計画を立案し、その準備として共通の栄養計算ソフトを用いて、栄養摂取データセットの読み替え作業、ならびにコホート研究参加者約3000名の内臓脂肪測定を実施した。 平成24年度にコホート調査に参加したもののうち、約2000名については血漿メタボローム解析を終えており、血漿メタボロームプロファイルにより肥満に関連する代謝物マーカーの検討を行った。男性、女性共に3つの代謝経路が肥満と関連する可能性が示唆された。 引き続き、平成26、27年度で得られた集団ならびにデータセットについて、引き続き尿メタボローム測定と統計解析を進め、メタボロームプロファイリングによる肥満に関連する代謝物マーカーの検討と食事摂取・栄養素摂取と代謝物マーカーの関連の検討を進めたい。
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