研究課題/領域番号 |
26860425
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
広崎 真弓 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70586304)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ポジティブ感情 / 笑い / 地域在住高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、(1)地域在住高齢者を対象にポジティブ感情の有無と健康状態との関連について検討し、(2)ポジティブ感情の予防医学的効果を検証することである。
今年度は、地域在住高齢者に対する総合機能評価のデータから、笑いの頻度と健康関連指標との関連を検討した。一日中笑わない日があると答える人が約3割(896名中275名)みられ、笑いの頻度が少ない群は多い群に比べて、年齢及びうつ傾向の割合が高く、高次のADL得点が低く、脳卒中や心筋梗塞の既往歴のある人の割合が高かった(年齢調整後)。また、家族関係や友人関係に関する満足度が低かった。笑いの頻度が、さまざまな側面における健康状態と関連がみられるという知見は、近年注目されつつあるポジティブ感情の重要性を支持するものであり、意義のあるものと考えられる。 さらに、関西地区の地域在住高齢者を対象として笑いを取り入れた3か月間の健康教室を実施し、期間の前後でうつ症状やQOL等の心理的健康度および自律神経機能やHbA1c等の身体指標の測定を行った。本結果の解析については次年度に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では2年目に行う予定であった介入研究を1年目に実施できた点は、計画以上に進展したといえる。その分、ポジティブ感情とネガティブ感情それぞれの関連要因の検討を次年度に持ち越すことになったので、全体として考えるとおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施した介入研究の解析を行うとともに、参加者に対して結果説明会およびフォローアップ教室を実施する。また、福島県においても自記式質問票を用いた調査の結果より笑いの頻度と心理・身体・社会的要因との関連の検討を行う予定である。またポジティブ感情とネガティブ感情それぞれについて、その関連要因や増減にかかわる要因の検討を行う。得られた成果について随時学会発表および論文発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表のための論文の英文校正費用として予定していたが、英文校正を次年度4月以降に行うこととなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
介入研究の結果説明会やフォローアップ教室実施のための経費、データ解析・管理のための物品やソフトの購入、論文発表のための英文校正費用として使用する予定である。
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