研究課題/領域番号 |
26860429
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研究機関 | 公益財団法人聖ルカ・ライフサイエンス研究所 |
研究代表者 |
大出 幸子 公益財団法人聖ルカ・ライフサイエンス研究所, その他部局等, 研究員 (80505074)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 健診 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、計画通りに分析が完了し、既に論文作成に着手している。抄録を下に示す。【背景】日本では、多くの成人(就業者)は年に1度の健診を受診して、HbA1cの測定も行って糖尿病のリスクをモニタリングしているが、毎年の検査は頻度が高すぎるとの指摘もある。Kahnらは、30歳~45歳の米国の健常者はHbA1cの測定は3~5年で十分であるという報告している。日本のデータを用いた分析結果は未だ報告がない。【目的】1)最適なHbA1c測定間隔を血液検査のSignalとNoiseを考慮し提案する。2)最適なHbA1c測定間隔を提案するとき、どの層別を採用すべきかを検討する。【方法】2005年1月~2014年12月に聖路加国際病院 予防医療センターを2度以上受診した30歳以上の健常者66805名。統計解析にはランダムエフェクトモデルを用いて、B値の分散値をSignal、モデルから得られたHbA1cと実測のHbA1cの残差をNoiseとし、SignalとNoiseの積が1を超える時間を最適な測定間隔と定義した。また、フラミンガムスコア(0-5%、5-10%、10-15%、15-20%、20%以上)、家族歴(あり、なし)、BMIカテゴリー(25未満(正常)、25-27(太り気味)、27以上(太りすぎ))の層別化分析を行い、どの層別が最も測定間隔に違いをもたらすかを検討した。【結果】最も測定間隔に違いをもたらす層別はBMIカテゴリーで、BMIが正常な者は9.5年に1度の測定間隔が最も適しており、太り気味の者は5.5年、太りすぎの者は4.5年であった。【結語】DMのリスクが高いと考えられる者ほど測定間隔が短くなる測定間隔を提案することができた。1年に1度の健診は太りすぎの者であっても必要がなく、現在行われている年1度の測定は、頻度が高すぎると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成26年度は、計画通りに分析が完了し、既に論文作成に着手している。また、2年目で計画している糖尿病患者のデータセットも入手し、すでに分析を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、糖尿病患者のデータを用いて、合併症なども含めたモデルの構築を試み、3年度に予定している費用効果分析モデルの準備も進めていく予定である。 研究計画書に記載してあるとおり、オックスフォード大学、山梨大学とも定期的なミーティングを行いながら研究を進めており、今後もスカイプなどを用いて定期的な会議を開催しながら進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
書籍購入を内部研究費で賄うことになったことによる修正
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次年度使用額の使用計画 |
論文投稿費に充てる予定
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