研究課題
インドネシア・マナド市サムラトランギ大学附属病院小児科に入院した0~5歳までの急性胃腸炎患児のうち保護者の同意が得られた児(441名)より便検体の回収を行い、11種類の下痢原性ウイルス(ノロウイルスGenogroup [G]I、GII、A群ロタウイルス、B群ロタウイルス、C群ロタウイルス、アデノウイルス、アストロウイルス、エンテロウイルス、サポウイルス、アイチウイルス、パレコウイルス)をターゲットとしてRT-PCR法を施行した。その結果、262(59.4%)検体が何等かのウイルス陽性となり、そのうち、A群ロタウイルスが156 (59.4%)検体、次いでノロウイルス GIIが43(16.6%)検体で陽性と多数を占めた。その他、アストロウイルスが10検体(3.9%)、サポウイルスとパレコウイルスが7検体 (2.5%)、エンテロウイルスが6検体(2.3%)、アデノウイルスが5検体(2%)、ノロウイルスGIが3検体(1.1%)、アイチウイルスが1検体(0.4%)で陽性となった(上図)。A群ロタウイルスの遺伝子解析では他国同様G1P[8]が最多(69.5%)を占めたが、VP7はブタロタウイルスに相同性が高くVP4はヒトロタウイルスに相同性が高いG4P[6]も1検体に見いだされた(下図)。ノロウイルスの遺伝子解析では、他国同様GII.4が最多(66.8%)を占めたが、中国、日本で2015年に流行が見られたGII.17株も2014年中に5検体に見いだされた。9種類もの下痢原性ウイルスが検出されたことより、当該地域に侵因する胃腸炎病原因子の多様性を裏付けた。また、A群ロタウイルス、ノロウイルスの検出率の高さからは、これらウイルスのワクチンターゲットとしての重要性が再認識された。
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