研究実績の概要 |
認知症患者の増加が世界的に問題となっている。認知症の増加は、個人や介護する家族の生活の質(QOL)を低下させると共に、認知症関連医療・介護費用の増加に拍車をかける。本研究は、大規模疫学研究(村上コホート研究, 2011年開始, 40-74歳対象, ベースラインn=14,397)の枠組みにおいて認知症の発生を新たなエンドポイントとして把握し、認知症の環境・生活習慣に関連したリスク要因を解明することにより、その一次予防に資するエビデンスを得ることを目的とする。平成26年度は、コホート調査開始から平成25年度末までの情報を収集した。二次保健医療圏の2医療機関の診療情報からは、それぞれ27、24例の認知症新規発生を把握した。 コホート調査開始後に要介護認定された対象者は村上市71人、関川村31人、粟島浦村2人であった。介護認定における主治医意見書の情報から、認知症高齢者の日常生活自立度判定(※)で自立以外のものは、村上市で44人(Ⅰ 12,Ⅱa 5,Ⅱb 11,Ⅲa 7,Ⅲb 2,Ⅳ 6,M 1),関川村で16人(Ⅰ 3,Ⅱa 3,Ⅱb 3,Ⅲa 4,Ⅲb 1,Ⅳ 2,M 0),粟島浦村2人(Ⅰ 1,Ⅱa 1,Ⅱb 0,Ⅲa 0,Ⅲb 0,Ⅳ 0,M 0)であった。うち、サブコホート対象地域の関川村16人について、認知症と診断名がついているものは7例であった。現在、収集したデータ整理(入力・クリーニング)を行っている。 ※ランクⅠ,Ⅱa,Ⅱb,Ⅲa,Ⅲb,Ⅳ,Mの順に重症度が増す。
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