研究実績の概要 |
本研究は、大規模疫学研究(村上コホート研究, 2011年開始, 40-74歳対象, ベースラインn=14,397)の枠組みにおいて認知症の発生を新たなエンドポイントとして把握し、認知症の環境・生活習慣に関連したリスク要因を解明することにより、その一次予防に資するエビデンスを得ることが目的であった。 本研究の対象地域である村上保健所管内市村の二次保健医療圏のうち、現在7医療機関から協力が得られている。村上コホート研究開始から平成28年度末までに、医療機関における認知症の新規発生143例の情報を収集した(軽度認知障害を含む)。また、行政からは、要介護認定情報の提供を受けており、新規要介護認定者は254人で、うち認知症高齢者の日常生活自立度判定のランクは、自立103-人、Ⅰ-39人、Ⅱa-25人、Ⅱb-36人、Ⅲa-26人、Ⅲb-10人、Ⅳ-11人、M-3人であった(順に重症度が増す)。更に、サブコホートに設定した地域については、要介護認定における主治医意見書の情報から、診断名について収集し、データ整理を行っているところである。 また、本研究計画では対象者の認知機能のレベルを考慮した解析ができないことから、2016年度は解析の補助データとするために、認知機能検査を追加調査として計画し、協力が得られた1,814人の村上コホート研究参加者に実施した。この検査結果と環境・生活習慣との関連についての解析結果は、現在論文投稿中である。全体の結果については現在データを解析中であり、今後成果報告する予定である。
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