研究実績の概要 |
本研究は、M.I.N.I(精神疾患簡易構造化面接法:MINI INTERNATIONAL NEUROPSYCHIATRIC INTERVIEW)を用いて大うつ病性障害(Major Depressive Disorder:MDD)と診断され通院加療中の就労者(もしくは就労していた者)を「MDDの就労者」と「双極性を有するMDDの就労者」を2群に分類し、職場で見られた早期症状や就労困難に繋がりうる職場での問題(事例性)などそれぞれの特徴を明らかにし、2群間の比較により就労という視点から双極性障害の早期診断に有用となりうる予測因子の発見を目的としている。 具体的には、研究に関する書面での説明に対し文書で同意を得た上で独自に作成した自己記入式質問表を配布し①DSM-IV-TRの診断基準の大うつ病エピソードに準じた各症状のうち、最初に職場で自覚した症状、②最初に自覚した就労困難に繋がりうる職場での問題(事例性、「遅刻・欠勤・早退」「仕事量がこなせない」「上司・同僚との人間関係の悪化」など)③個人背景として性別、年齢、婚姻状況、子供の有無、学歴、就労背景として事業所の規模、職種、勤続年数、採用形態、勤務形態等を調査している。 双極性の評価には、第一度近親者の家族歴の有無、発症年齢、精神病症状の有無、これまでのエピソード回数、TEMPS-A(Temperament Evaluation of Memphis, Pisa, Paris, and San Diego-Autoquestionnaire)で評価される循環気質や発揚気質、などの情報を収集している。
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