就労者のうつ病と双極性障害の鑑別において、最初に自覚する主観的な精神運動性焦燥や精神運動抑制が指標となる可能性が考えられた。うつ病の就労者で、職場で変化が現れ始めた早期に、これらの精神症状に関連する事例性を認めた場合、双極性障害も念頭において慎重に経過観察する必要があるかも知れない。 一部の職業性ストレスに対し発揚気質傾向は保護的に働き、焦燥気質や不安気質傾向は脆弱性を持つこと、就労者の不安気質傾向、役割葛藤と不眠の関連がわかった。自身の気質傾向、その職業性ストレスに対する影響を知ることは、就労者自身の自己洞察、気づきに繋がると考えられ、自身のストレス対策の一助となると考えられる。
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