海産食品はヒ素含有量が比較的多いことから健康リスク評価が求められている。そこで海産食品に含まれる有機ヒ素化合物であるアルセノシュガー(AsSug)、アルセノリピッド(AsLipid)の消化過程での溶出および化学形態変化について知見を得ることを目的とし、模擬的消化環境を用いた観察を行った。その結果、被験食品であるワカメからの有機ヒ素溶出には腸内細菌が大きく関与していた。また、ワカメに含まれているAsSugとAsLipidは模擬的消化環境下ではDMAには変化しなかった。これらの有機ヒ素化合物は消化管で吸収された後に肝臓等でDMAへと代謝されている可能性が示唆された。
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