本研究は、地域のソーシャル・キャピタル(人と人との関係性の蓄積を示す概念)として住民による地区組織活動(保健補導員や保健推進委員等の活動)に着目し、健康状態や健康行動との関連について検討した。群馬県および長野県内の3市町で主に65歳以上の住民を対象に実施された質問票調査等の結果の解析により、以下の点が示唆された:①地域の個人レベルの地域活動参加が将来のADL(日常生活動作)維持と関連する。②保健補導員を経験した女性はそうでない女性と比較して入院医療費が低く、ADLも良好である。③地域参加や保健推進委員との日常的な会話が血圧計の所有・使用と関連する。
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