研究課題/領域番号 |
26860451
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
西 真理子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70543601)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地域介入 / コミュニティ感覚 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,地区を単位とした非無作為化比較試験(不等価2群事前事後デザイン)により地域高齢者の「コミュニティ感覚」の向上を目指した地域介入研究を行い,その効果を検討することである。研究1年目の昨年度は介入前のベースライン調査を実施し,2年目にあたる本年度は地域介入に着手することを目的に当該研究を進めてきた。 地域介入に向けては二つの段階を設け,第一段階ではCommunity-Based Participatory Approachの手法をベースに,地域住民と行政,研究者で定期的に集まり(定例会),介入地区の選定とその地区で実行可能な取り組み・活動についての意見を出し合った。その後,その中で提案された取り組み等を地域介入として実行に移すべく話し合いを重ね,その他の専門家も交えて定例会を開催したこともあった。なお,定例会の参加者であった地域住民は,本研究の対象地域が実施しているヘルスサポーター養成講座を受講した者に声掛けして実施した。ヘルスサポーター養成講座とは,市が実施する健康づくりに関する施策の推進を図るための活動を行う市民ボランティアを育成するための講座であり,市内に在住し,又は在勤する20歳以上の者を対象に実施されているものである。第二段階では,定例会で話し合われた取り組み・活動を実行に移すことを目指した。 定例会を月1回のペースで開催した結果,介入対象地区が決定し,その地区の見どころを載せたウォーキングマップを作成するに至った。今後は,作成されたマップの効果的な活用方法や配布場所等を多角的に検討していくことが課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,昨年度開始に至らなかった地域介入に向けての話し合いを開始し,地域介入を遂行することを計画して当該研究を進めてきた。計画は概ね順調に進み,地域住民と行政,研究者で地域介入に向けた話し合いを重ねた結果,介入地区が決定し,地域介入のツールとなるウォーキングマップを作成するに至った。 補足:本年度の研究計画は概ね順調に進んでいるが,地域介入が遅れたことにより(昨年度開始予定が本年度に延長),介入開始から次年度実施予定の追跡調査までの期間が短くなった。この点が現在,介入効果を検討する上で懸念される点である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度となる次年度は,追跡調査(介入後調査)の実施および以下を早急に遂行することを計画している。 昨年度開始予定だった地域介入が本年度に延長したため,介入開始から次年度実施予定の追跡調査までの期間が短い。これは介入効果を検討する上で懸念される点であるため,次年度は,地域介入のツールとなるマップの効果的かつ効率的な活用方法や配布場所を多角的に検討し,実行に移す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究活動は,地域介入に向けた定例会の開催と定例会で決定したウォーキングマップの作成が主であった。ウォーキングマップの大量印刷は翌年度初めに持ち越されたため,次年度使用額が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の助成金の大半は,本年度に作成したウォーキングマップの大量印刷と追跡調査(介入後調査)の実施に使用することを計画している。その他,書籍・文献複写費や,調査地への出張等にかかる旅費,研究成果の発表等にかかる費用にも使用する予定である。 以上,研究の遂行から研究報告に至るまでの必要経費として助成金を使用することを計画している。
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