本研究の目的は,居住地域に対する高齢者のコミュニティ感覚(居住地域や近隣に対する意識や態度)の向上を目指した地域介入を行い,その効果を明らかにすることである。住民,行政,研究者,その他専門職が協同して課題に取組む地域参加型研究の手法を採用し,全員で介入地区を決定およびで実行可能な取り組みを検討し,それを実行に移した(地域介入)。介入の結果,居住地域に対する評価項目のほぼ全てにおいて介入前後の有意な変化は認められず,介入の効果は示されなかった。本研究では介入案の1つしか実行できず,介入期間も短かった。効果的な地域介入には,多角的な介入を一定期間以上に渡り継続実行することが必要であると考えられた。
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