• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

デクロラン類による大気汚染実態と越境汚染の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26860452
研究機関大阪府立公衆衛生研究所

研究代表者

柿本 健作  大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (40435889)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード大気汚染 / 難燃剤 / 有機塩素 / 機器分析
研究実績の概要

大気粉塵試料中デクロラン類(syn-DechloranePlus, anti-DechloranePlus, Dechlorane602, Dechlorane603, Dechlorane604_ComponentA)分析を行うための前処理の検討を行った。大気粉塵試料に対しジクロロメタンを加え超音波法により抽出を行い、抽出液に対しさらにシリカゲルクロマトグラフィーおよび硫酸含有シリカゲルクロマトグラフィーによる精製を行ったものを濃縮し測定条件を最適化したガスクロマトグラフ高分解能質量分析計で分析を行った。添加回収試験を3併行で行った結果、回収率は92~113%であった。尚、回収率の算出するにあたりsyn-Dechlorane Plusおよびanti-DechloranePlusについては対応する13C置換安定同位体により、その他のデクロラン類はsyn-DechloranePlusの13C置換安定同位体による補正を行った。このことから今回確立した前処理方法が今回対象としたデクロラン類の分析において有効であることが確認できた。この方法を持ちいて大阪においてハイボリュームエアーサンプラーを使用し石英繊維フィルターに捕集した大気粉塵を分析した。その結果、syn-DechloranePlusおよびanti-DechloranePlusが合計で7~15pg/m3の濃度で検出され、それ以外のデクロラン類は検出されなかった。syn-DechloranePlusとanti-DechloranePlusの濃度合計でanti-DechloranePlus濃度を除したfanti比は、0.64-0.78であり工業製品中のそれに近い値となった。今後、日本およびアジアの他都市で捕集した大気粉塵試料の分析、粒径別に採集した大気粉塵の分析などを行い大気中のデクロラン類の挙動を明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の研究計画では前処理方法の構築が主な目的であったが、今回デクロラン類を良好な回収率で分析する方法を確立することができ実際の試料に適用することができた。

今後の研究の推進方策

デクロラン類の越境汚染を含めた大気中挙動および汚染実態を把握するうえで、アジアの各都市のデクロラン類濃度および、デクロラン類粒径別濃度分布解析が重要であると考える。よってすでに捕集済みのアジア各都市の大気粉塵および大阪で捕集する粒径別大気粉塵試料を今後分析していく。

次年度使用額が生じた理由

ガスクロマトグラフィー用のカラムについて初年度の購入を考えていたが、初年度は既存の使用中カラムで対応した。アジア諸都市の大気粉塵を連続分析することにより現在使用中のカラムの劣化が予想されるため、27年度に購入する予定である。

次年度使用額の使用計画

27年度予算は、主に前処理に必要な有機溶媒、精製試薬、標準品、分析消耗品(カラム)等に物品費を使用する予定である。また学会参加費、論文投稿における英文校正や別刷り代への支出を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 北東アジア諸国における大気中デクロランプラス2014

    • 著者名/発表者名
      柿本健作
    • 学会等名
      第23 回環境化学討論会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-05-14 – 2014-05-16
  • [学会発表] Determination of atmospheric Dechlorane Plus in North-east Asia and dietary exposure level in Japan2014

    • 著者名/発表者名
      柿本健作
    • 学会等名
      第23 回環境化学討論会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2014-05-14 – 2014-05-16

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi