研究課題/領域番号 |
26860458
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
古野 優一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20453102)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インフォームドコンセント / 医療の質 / 漫画 |
研究実績の概要 |
平成22年度から始まった「芸術的アプローチ(漫画)を用いた医療イノベーション戦略研究」で「病状説明用漫画」の有用性が示唆され、普及への患者側の強い期待が明らかとなった。脳卒中領域の病状説明用漫画が既に臨床応用されており、本研究では新たに脳腫瘍の病状説明用漫画を開発,作成する。特に頭蓋底部は重要構造物が三次元的に密集し、病変の主座で呈する症状は多様であり、手術は合併症回避のために複雑で高度な手技が要求される。患者さんと患者家族にとって言語説明だけでは病状理解が困難で、病状説明用漫画の豊富な図解で視覚的に認識できる利点と、ストーリ性に自分を投影同一視させ治療の流れが理解できるという特性が役立つ事が期待される。 平成26年5月から京都精華大学漫画制作担当者との合同会議を2週間に1度の頻度で開始した。「聴神経腫瘍」に関する漫画の制作を開始し、我々の要望、資料提供をもとに漫画制作担当者がネーム、下絵,原稿へと制作を進め、平成27年3月に初校を出版した。一人の主婦が、片側の聴力低下を自覚してから、検査、治療、予後までを一連のストーリーとして漫画で説明してる内容である。今後は本疾患の患者さんとその家族に、一通り医師から病状説明を行ったあとに本漫画を読んで頂き、自分の病状の理解を深めていただく予定である。またその有用性について、患者さん側からの本漫画の評価を頂くため、アンケート調査も行う予定である.現在、アンケート調査を行うため、京都府立医科大学倫理審査委員会へ申請を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、漫画の初校を平成27年9月までに行うことを目標としていたが、平成27年3月に早まっている。理由としては、漫画制作にかかわる技術の向上のため、漫画制作にかかる時間が予想より短縮されたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
制作した「聴神経腫瘍」を、実際の臨床現場で本疾患の患者さんと患者家族に読んで頂く予定である。また患者さん側からのフィードバックを得るため、アンケート調査を予定しているが、この調査に関して、現在京都府立医科大学倫理審査委員会へ申請中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
漫画制作において初校の出版予定が早まる見込みとなり、平成27年度分から70万を前倒しした。また制作費用が、初回見積額よりさらに増加する可能性があったため、余力をもって前倒ししたため、結果的に次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
漫画制作は終了し、今後その患者さん側からの評価のためのアンケート調査、結果解析、学会発表、論文発表に使用する予定である。
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