死後3日以内の法医剖検例の開胸前の胸部CTデータを利用し、画像解析ソフトを用いて肺の含気量・水分含有量の分布、胸腹腔内大血管の扁平化率、推定心臓内血液貯留量や心臓の拡張度などの指標について3次元的に分析して死因による相違を明らかにしたうえで、死亡過程における致死的呼吸・循環病態の評価法を確立することを目的とした。その結果、死後CTデータから得られる上記の各種指標は、死因に特徴的な所見がみられることが解明され、開胸前の心臓や肺の状態および循環血液量などを反映して死亡時の呼吸・循環病態を評価する一助になりうるものと考えられた。
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