研究実績の概要 |
血液特異的DNAメチル化サイトして既に報告されていた、cg06379435、cg08792630、C20orf117の血液特異性について、プールサンプルを用いて、バイサルファイトシークエンス法により検証を行なった。その結果、cg06379435について、比較的血液特異性が高いことが確認された。続いて、この部位の血液特異性について、より多くの検体で検証するため、リアルタイムPCRを用いた定量的メチル化解析法の確立及び検証を行なった。cg06379435とその近傍の二つのCpGサイトに対応する1組の蛍光標識プローブ(メチル化検出プローブ及び脱メチル化検出プローブ)及びプローブ結合領域を含む115bpを増幅するプライマーペアを設計し、リアルタイムPCR装置を用いて、当該CpGサイトが0,10, 30, 50, 70, 90%メチル化されたDNAを解析した。得られたCt値をもとに、メチル化度を算出したところ、おおむね予測された値が算出され、本検出系による定量的解析が可能であることが確認された。さらに、血液(n=22)に加え、精液(n=14)、唾液(n=15)、膣液(n=7)由来のDNAを解析したところ、血液DNAにおけるメチル化率が高いことがあらためて確認された。さらに、この血液DNAのメチル化率を元に、血液判定の閾値となるメチル化率を設定し、現場資料を想定した陳旧資料(血痕:n=6、唾液斑:n=3、精液斑:n=4)を解析したところ、血痕試料からのみ陽性判定が得られる結果となった。
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