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2015 年度 実績報告書

慢性ストレス環境での、グリア細胞由来神経栄養因子による十二指腸上皮透過性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 26860484
研究機関大阪市立大学

研究代表者

田中 史生  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (20623292)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード神経科学 / 心身医学
研究実績の概要

【目的】機能性ディスペプシアでは十二指腸粘膜バリア機能障害が近年報告され、その病態解明が課題である。精神的ストレスにより十二指腸粘膜内グリア細胞由来神経栄養因子(Glial cell line-derived neurotrophic factor; GDNF)の発現が変化し、バリア機能に関与するとの仮説を検証した。【方法】C57BL/6N雌性マウスを用い、水回避ストレス負荷を10日間行った。ストレス負荷第3, 6, 10日目に屠殺、十二指腸粘膜を剥離採取し以下の項目をコントロール群と比較検討した。GDNF蛋白発現量をELISA法で、細胞接着分子のmRNA発現量をRT-PCR法を用いて網羅的に解析した。E-cadherin蛋白発現量をwestern blot法で定量し、GDNF発現量との相関性を解析した。【成績】GDNF蛋白発現量はストレス負荷時間依存的に抑制された。ストレス負荷第10日目では、GDNF発現量はコントロール群に比し有意に低下した(53.8 ± 19.2 vs. 352.7 ± 36.9 pg/mg protein, P< 0.01). E-cadherin mRNA発現量はGDNFと同様、時間依存的に抑制された。負荷第10日目のE-cadherin蛋白発現量はコントロール群の約30%まで低下した(P< 0.05)。E-cadherin mRNA、蛋白発現量はいずれもGDNF蛋白発現量と正相関を認めた(P=0.0002, r=0.68; P=0.0003, r=0.64)。E-cadherin以外の細胞接着分子はストレスの影響を認めなかった。【結論】慢性ストレス環境下ではGDNF発現量が有意に低下しE-cadherin発現量と正相関するが、タイト結合・デスモゾームへの影響は認めなかった。

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公開日: 2017-01-06  

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