本研究は,高頻度な消化器心身症である過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome: 以下IBS)を対象として,ストレス認知修正を意図した認知行動療法の技法適用の効果について検討し,non-patient IBSに対する発症予防的介入法の臨床的応用可能性を吟味することを目的とした。介入プログラムは12週間を1パッケージであり,認知的再体制化を意図した携帯情報端末上のワークシートへの取り組みを主とした。結果から,介入群では統制群に比して有意な症状の低下とQOLの向上が示唆され,本研究で用いられたプログラムは,治療的セルフコントロール技法として一定の有用性を持つことが推測された。
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