本研究では、メタボリック症候群の関連因子と骨密度・骨代謝マーカー(BAP・TRACP-5b)の関連につき検討した。インスリン抵抗性と高分子量アディポネクチンはいずれも骨密度と有意な関連を認めず、男性と閉経後女性ではBMIにより関連が強く交絡していた。骨代謝マーカーは閉経後女性、男性、閉経前女性の順に低下した。男性と閉経前女性では年齢の増加に伴いTRACP-5bの上昇を認めたが、閉経後女性では年齢の増加に伴いBAPの低下を示し、さらに70歳以上ではTRACP-5bの低下も認めた。肥満者では男女ともBAPが高値となり、閉経後肥満女性ではTRACP-5bが低値を示した。
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