胃上皮特異的な遺伝子改変のため、BACトランスジェニックの手法を用いてTff1-Creマウスを新規に作出した。Rosa-EYFPマウスと交配し、Tff1-Creの発現部位を解析した。腺窩上皮と腺窩上皮前駆細胞のほか、頸部粘液細胞および主細胞の一部でも発現を認めた。壁細胞や内分泌細胞では発現を認めなかった。Tff1-CreマウスとLSL-KrasG12Dマウスの交配により腺窩上皮で変異型Krasを発現させると、生後3か月で腺窩上皮の過形成、胃底腺の萎縮、アルシアンブルー陽性の化生性変化を生じた。今後Tff1-Creマウスと種々の遺伝子改変マウスの交配により、化生性変化や発癌を解析する予定である。
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