研究課題
肝線維症の病態進展に伴うタンパク質架橋形成の存在と機構解明を目指し、肝線維化動物モデルを用いて、平成27年度は以下の2点の研究課題を遂行した。(1)昨年度に得られたTG1およびTG2の活性上昇が見られる組織分布の情報に基づき、蛍光免疫染色により細胞種の特定を行った。また下記に示すが、新規に得られた肝線維化の形成過程に関わる基質タンパク質に対する抗体を用いて、免疫染色を行うことにより、TG活性の基質の分布について共染色により明らかにした。(2)正常及び線維化を誘導した肝組織抽出液(胆管結紮処置3、7、14日後)とビオチンを付けた各TGアイソザイム選択的な基質ペプチドを反応させ、アビジン精製後にトリプシン消化を行い、質量分析を用いて解析した。その結果、ALDH2およびCytokeratin-18が線維化の進行に伴い架橋される基質であることが分かった。Cytokeratin-18は細胞死に関わることがすでに報告されているため、肝線維化誘導時の肝細胞死の誘導機構に寄与することが示唆される。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 467 ページ: 1046-51
10.1016/j.bbrc.2015.10.001.
Arch Biochem Biophys.
巻: 586 ページ: 27-32
10.1016/j.abb.2015.09.021.
PLoS One.
巻: 10 ページ: e0144194
10.1371/journal.pone.0144194.