本研究では、肝細胞癌患者予後と密接に相関を示す肝癌幹細胞マーカーとしてCD44を見出した。また、肝癌幹細胞と肝癌細胞間での網羅的な遺伝子発現/miRNA発現解析を実施した。これらのデータを用いた統合解析の結果、cell adhesion molecule、apoptosis、ABC transportersなどに関わる遺伝子、miRNA群が変動しており、肝細胞癌患者における悪性度の進展にCD44陽性肝癌幹細胞が関与していることが示唆された。さらに、CD44陽性肝癌幹細胞で高発現していたDKK1、miR-137は肝細胞癌患者予後と関連を示し、独立した予後予測因子となることが明かとなった。
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