研究課題
Barrett食道の長期経過観察例では腺癌を合併するリスクが高いことが知られており、この癌を早期発見、早期治療することが重要な課題である。本研究ではBarrett腺癌もしくは前癌病変であるdysplasiaを高感度に診断可能な内視鏡システムの基盤を構築することを目的としている。Barrett腺癌は今後日本においても増加することが懸念されているが、現在のところは比較的疾患頻度は低く、症例・検体数に限りがある。そのためより検体を集めやすい腺癌である大腸癌細胞を用いて基礎的な研究を行った。大腸癌に高頻度に発現を認めるEGFR(Epidermal growth factor Receptor)をターゲットとする光イメージングの基礎的検討から、Barrett腺癌においても同様の方法が可能と考えられた。検体数その他の問題からBarrett腺癌の特異的な標的分子となるペプチドの同定には時間を要するため、まずEGFRをターゲットとして検討を行うこととした。しかし、EGFR発現はBarrett腺癌で必ずしも高いとは限らず、EGFRでのイメージングは困難であった。新たにBarrett腺癌の標的分子となるペプチドを決定することがやはり必要であり、現在引き続き検討を進めている。
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