炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor: TNF)は、種々のサイトカインの誘導や細胞増殖、分化、アポトーシスによる細胞死の誘導など多様な細胞現象に重要な役割を果たしている。 TNFの過剰な産生はさまざまな炎症性疾患や癌の発症(胃癌、乳癌など)に関与し、TNFはこれらの治療の標的となっているが、大腸癌においてはその臨床応用は未だ途上である。本研究ではこれらの知見に基づき、大腸発癌過程におけるTNF-R1関連因子の分子機構を明らかにし、また大腸癌におけるTNF-R1のバイオマーカーとしての臨床応用を目指すものである。
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