胃細静脈のmural cells(血管平滑筋や周皮細胞)はギャップ結合を介して同期的かつ周期的な細胞内Ca2+上昇を示し、周期的な細静脈自発収縮を誘発した。自発収縮は、小胞体からの自発的Ca2+放出と、L型Ca2+チャネルからのCa2+流入に依存していた。内皮由来NO(一酸化窒素)による収縮抑制作用と、cGMP分解酵素PDE5のNO-cGMP系抑制作用とが拮抗して自発収縮が保たれていた。食物による胃伸展で胃壁の血液循環は滞りがちだが、細静脈自動ポンプ機能がこれを緩和すると考えられた。一方、細静脈の持続的交感神経性収縮は、運動時や出血時に血液を胃腸から心臓や脳へ再配分する機構であると推察された。
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