研究期間内に悪性肝腫瘍を有する計20症例30結節に対し不可逆電気穿孔法(IRE)治療をおこなった。重篤な有害事象は1例も認めず、治療の安全性は担保された。特に、主要な肝内血管(門脈2次分枝まで、ないし肝静脈1次分枝まで)に近接する腫瘍に対しても安全かつ効果的に治療を行うことが可能であった。このような結節は現在のラジオ波焼灼療法に代表される熱凝固療法では治療が困難であり、IRE治療の意義は高いと考える。
また、IRE治療の画像による治療評価は現時点で確立されていないが、我々の検討では治療直に造影超音波を行い、治療結節ないに血流シグナルを認めるか否かが、治療の成否に強く関係していることが示唆された。
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