• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

CCL1阻害剤を用いた肝細胞癌のマクロファージ治療

研究課題

研究課題/領域番号 26860533
研究機関大阪医科大学

研究代表者

朝井 章  大阪医科大学, 医学部, 講師 (30622146)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードマクロファージ / 単球 / CCL1 / 肝細胞癌
研究実績の概要

肝細胞癌は、集学的治療を行うも5年生存率は23%程度であり、新たな治療法の開発が切望されている。通常単球から文化するマクロファージは、自然免疫における抗腫瘍免疫エフェクター細胞であるM1マクロファージ/単球とそれを強力に抑制するM2マクロファージ/単球の2つに大別されるが、さらにM2マクロファージ/単球はM2aマクロファージ/単球、M2bマクロファージ/単球、M2cマクロファージ/単球の3つのsubtypeがあると報告されている。今回の研究において、進行期肝細胞癌患者の末梢血由来単球は、IL-12-IL-10+CCL1+細胞であるM2b単球であることが判明した。またそのM2b単球を効果的な免疫細胞を持たないNSGマウスに経静脈的に移入し、更に肝細胞癌を皮下に移植した所、癌は増殖した。しかし早期肝細胞癌患者の末梢血由来単球は、IL-12-IL-10-CCL1-細胞であり、静止期の単球である事が判明した。同様にその単球をNSGマウスに経静脈的に移入し、更に肝細胞癌を皮下に移植した所、癌は大きくならなかった。つまりM2b単球が癌を大きくする一つの原因であると考えられた。更にそのM2b単球は、CCL1アンチセンスにて治療を行うと静止期の単球に戻り、その単球をNSGマウスに経静脈的に移入し、更に肝細胞癌を皮下に移植した所、癌は大きくならなかった。結論として、進行した肝細胞癌患者ではM2bマクロファージ/単球が優位に産生されており、それが肝細胞癌の進展に関与している可能性があると考えられた。同細胞から分泌されるCCL1は、M2bマクロファージ/単球の性状維持に必要であることから、そのCCL1を遺伝子治療により阻害することで、抗腫瘍効果を持つM1マクロファージ&/単球を誘導する事が可能であると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Host antitumor resistance improved by the macrophage polarization in a chimera model of patients with HCC2017

    • 著者名/発表者名
      Akira Asai, Yusuke Tsuchimoto, Hideko Ohama, Shinya Fukunishi, Yasuhiro Tsuda, Makiko Kobayashi, Kazuhide Higuchi, Fujio Suzuki
    • 雑誌名

      Oncoimmunology

      巻: 6 ページ: -

    • DOI

      10.1080/2162402X.2017.1299301

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi