41例のヒトHCC組織を用いてHCC進展とCD26タンパク発現との関係について検討を行った。その結果、CD26高発現群は低発現群に比べ、stage進行例、被膜外浸潤ならびに組織学的中低分化型が多く、細胞増殖能や血管新生が亢進していた。また、CD26/DPP-4発現肝癌細胞を用いたin vitro解析において、DPP-4阻害薬が細胞増殖に影響を与えなかった。一方、ヌードマウスに肝癌細胞(Huh7)皮下移植モデルを用いてDPP-4阻害薬の抗腫瘍効果を検討したところ、DPP-4阻害薬が腫瘍増殖を抑制した。 以上よりDPP-4阻害薬はがんの微小環境に対して抑制的に作用することが示唆された。
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