研究課題
容量測定を主とした前年度の研究に引き続き、本年は組織学的所見の比較検討を実施した。肝硬変状態における線維化の量や分布、偽小葉のサイズ等は確かに原因によって差異があるが、個々の症例によってもかなりばらつきがあった。これらの所見はあくまで結果であり、変形の原因を特定するには至らなかった。完成された肝硬変における実質の後輩に関しては原因による差異は目立たなかったが、これは画像で得られた所見と同等であり、かつこれまでの知見とほぼ変わらなかった。
4: 遅れている
本年度の組織学的標本を主体とした検討では、生体における最も重要な要素であると思われる血流の影響を加味することが難しかった。組織学的検討で得られる所見は全て「結果」であり、原因となっている複数の要素を同定するには至らなかった。
肝硬変における肝変形には、組織学的改変と血流が複雑に関与していると思われる。画像は生体における現状を把握できる唯一の手段である。組織学的所見の検討で得られた結果は肝硬変状態に陥ったのちに至った「結果」であり、原因を模索するには、生体モデルにおける検討が必要と考えている。動物実験も念頭におきつつ、やはり画像所見や画像を用いた血管分布や容量測定といった画像を基とした検討を進める予定である。
組織標本の検討に想定以上に時間を要し、その割には芳しい成果を得る事ができなかった。
組織標本のバーチャルスライド化、画像データを基とした容量測定、血管解析ソフトの新バージョンへの更新、得られたデータの保存媒体、学会参加等を予定している。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
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