研究課題
前年度までの検討では非アルコール性脂肪肝炎(以下、NASH)による肝硬変における形態的特徴を明らかにし、これとウイルス性ならびにアルコール性肝硬変との形態学的変化には有意差がある事が画像を用いた容量解析によって存在することを示した。更にこれらの原因間での差異に関しては肝硬変がChild-Pugh class A、B、C群と進行するにしたがって、縮小することが判明した。これら原因間の形態学的差異は、組織学的な差異に基づいていると想定し、組織学的差異とそれが形態変化に与える影響に関して検討した。原因間の差異に関する組織学的検討では、各原因による組織学的差異は存在するもが、原因別の有意な線維化量や再生結節サイズの有意差までは見いだせなかった。しかし、肝硬変が進行するに従ってその差異は小さくなる傾向は容量解析と同様に認められた。これら組織学的変化に血流が大きく関与していると想定し、門脈血流及び動脈血流、流出系である静脈血流の関与に関して検討した。血管径による検討は関連性の判断が難しく、組織学的構築が血流変化を来す原因なのか、結果なのかの判断も困難であった。また画像や組織所見などの静的所見による血流の検討には限界があると思われ、動的な要素を含めた肝硬変の構築の過程に関しては今後更なる検討が必要と考えられた。
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Cardiovasc Intervent Radiol.
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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