今後の研究の推進方策 |
ラット急性心筋虚血・再灌流モデルにおけるCNPの抗心室性不整脈作用の機序について引き続き研究を行う。特に 虚血域(area at risk)並びに心筋梗塞域(infarct size)の測定をエバンスブルー/塩化2,3,5-トリフェニルテトラゾリウム(TTC)の二重染色にて評価し、梗塞サイズそのものへの影響を調べる予定である。 続いて、高血圧自然発症ラット(SHR)を用いて、心房細動発症および心房リモデリングに対するCNPの効果を検証する(SHRのみで心筋線維化や炎症が不十分な場合には、さらに浸透圧ミニポンプを用いてアンジオテンシンIIの持続投与を行う)。浸透圧ミニポンプを用いて0.1μg/kg/minのCNP(CNPは血行動態への影響はほとんどないため、必要によりさらに増量して検討する)または5%ブドウ糖液の持続静注を4週間行う。そして、吸入麻酔下(イソフルレン)に電極カテーテル(1.5F)(日本光電:特別注文により作成済、予備実験による検証も済)を頸静脈から挿入し右心房に留置し、電気刺激装置(日本光電SEN-7203)による高頻度ペーシングおよび期外刺激にて心房細動の誘発を行う。その後、心臓を摘出し、心房のSorius Red染色を行い形態学的コラーゲン密度を定量する。そして、Hematoxylin-eosin染色により炎症の程度をスコア化し、CD45(好中球)、CD68(マクロファージ)、CD3(Tリンパ球)等の免疫組織染色を行う。また、線維化関連因子(collagen1&3, transforming growth factor-β1等)、炎症関連因子(macrophage inflammatory protein-1α, tumor necrosis factor-α等)の遺伝子発現を定量PCR法(Applied Biosystems 7500)により解析する。
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