洞不全症候群などの上室性徐脈疾患は基礎心疾患により二次的に引き起こされることが多いが、一部には基礎心疾患なしに発症することがあり、遺伝子異常がその一因である。本研究ではいまだ変異の見つからない約2/3の家族性上室性徐脈疾患患者の原因遺伝子を明らかにするために、次世代シークエンサーを用いて網羅的遺伝子解析を行い、見つかった遺伝子変異についてはその疾患メカニズムを電気生理学的な手法や分子生物学的手法により決定した。本研究により、これまで原因不明であった約2/3の患者のうちの約4割(11名)の6遺伝子に遺伝子変異を同定した。中でも2つの原因遺伝子はこれまでに報告のない新規原因遺伝子であった。
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