• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

心臓リハビリテーションによる脳由来神経栄養因子を介した心不全治療の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26860574
研究機関熊本大学

研究代表者

高潮 征爾  熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (50573599)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード心不全 / BDNF / 心臓リハビリテーション / 抑鬱
研究実績の概要

平成28年度は研究対象者のデータ固定を行い解析を行った。目標症例数100名に対して研究同意を頂いた症例は合計74症例であった。そのうち心臓リハビリテーションを3ヶ月継続し、3ヶ月後のBDNF測定が可能であった症例は49症例だった。血漿BDNF値[中央値(四分位)]はリハビリ前後で2477(1438-4340)pg/mlから5268(3126-7803)pg/ml (p<0.001)と有意に上昇していた。CPXがリハビリ前後で実施された39症例においてPeak VO2はリハビリ後に有意に上昇していた(18.2±5.7 vs. 19.8±7.0 ml/Kg/min; p=0.02)。また3ヶ月後にQOLおよび抑鬱のスコアは有意な改善が見られた[ミネソタ心不全QOLスコア(37.0±23.7 vs. 25.5±23.4; P=0.004)、ベック式抑うつ評価尺度(10.7±8.2 vs. 7.6±5.6; P=0.003)]。
BDNFの変化率はPeak VO2やBNPの変化率や筋力、QOLのスコアの変化、心臓リハビリテーションの参加回数と相関は見られなかったがベック式抑鬱評価尺度の改善度とは有意な相関が見られた(p=0.01)。積極的に心臓リハビリテーションを行わなかった群を「心臓リハビリテーション非実施群」として「実施群」と比較を行ったがBDNFの変化率は変わらなかった(205±300 vs. 194±253%; p=0.89)。本研究で心不全患者を対象に心臓リハビリテーションを3ヶ月実施することでBDNF値の上昇が確認されたが、その上昇が心臓リハビリテーションの効果や運動耐容能の改善によるものかを明らかにすることはできなかったが、抑鬱症状の改善と相関を認めたことから、リハビリテーションによる抑鬱症状の改善がBDNFの上昇に関連している可能性が示された。

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi