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2015 年度 実施状況報告書

心臓におけるメタボロームイメージングの確立および移植心筋の代謝マップ作製

研究課題

研究課題/領域番号 26860585
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

勝俣 良紀  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80464832)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードメタボリックイメージング / フラックス解析
研究実績の概要

マウスの心筋梗塞モデルを使用し、メタボリックイメージングやfluxマップの作製に成功した。13Cでラベルされた糖の代謝に関しては、これまでの報告通り、心筋梗塞モデルで糖代謝が亢進していた。特記すべきことに、解糖系は心筋梗塞の中心部で最も亢進していたが、糖のクエン酸回路への流入は虚血の周辺部で更新していた。また、13Cでラベルした乳酸を用いたフラックス解析では、心筋梗塞の中心部位で乳酸の取り込み及びクエン酸回路への流入が確認された。
このような結果は、代謝マップの作製により、代謝の局在を把握することが可能となったこと、マイクロウェーブを用いて代謝を瞬時に止めることが可能になったことが大きく貢献したと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスの心筋梗塞モデルを使用し、メタボリックイメージングやfluxマップの作製に成功した。特に、13Cでラベルした乳酸を用いたフラックス解析では、心筋梗塞の中心部位で乳酸の取り込み及びクエン酸回路への流入が確認された。重症虚血部位で乳酸を利用した代謝が好んで行われていることが示唆され、重症虚血に対する乳酸を利用した治療戦略の開発につながる発見と考えられた。

今後の研究の推進方策

重症虚血モデルの心筋における乳酸の利用に関する、詳細な検討が必要となる。どのようなタイミングで、どのような量の乳酸を投与することが、心筋の生存を延ばすのか、どのような分子メカニズムが作用しているのか、等の解明により、重症虚血心に対する新たな薬剤の開発につながると予想される。

次年度使用額が生じた理由

研究計画にのっとり、順調に研究を進め、現在、論文の投稿作業を行っている。査読者のコメントに従い、次年度も追加実験などの研究の継続が必要となったため。また、本研究成果を広く認識し、我々の開発した方法を様々な研究者に使用してもらうため、学会などでの発表の必要があるため。

次年度使用額の使用計画

研究の消耗品や学会発表、また投稿作業の際に発生する費用として使用を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Imaging Mass Spectrometry with Focus Microwave Treatment Reveals Heterogeneity in Directional Glucose Fluxes In and Around Ischemic Myocardium2015

    • 著者名/発表者名
      勝俣 良紀
    • 学会等名
      Molecular Cardiovascular Conference II
    • 発表場所
      ヒルトン福岡シーホーク(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2015-09-05
  • [学会発表] Imaging Mass Spectrometry with Focus Microwave Treatment Reveals Heterogeneity in Directional Glucose Fluxes In and Around Ischemic Myocardium2015

    • 著者名/発表者名
      勝俣 良紀
    • 学会等名
      European Society of Cardiology Scientific Session 2015
    • 発表場所
      ロンドン(イギリス)
    • 年月日
      2015-09-01
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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