質量分析計の開発改良に伴い、臓器の代謝イメージングが実現可能となってきたが、心臓は死後の代謝変化が著しく、解糖系やクエン酸回路などの中心代謝産物の正確な代謝イメージングは難しかった。そこで、死後の代謝変化を最小限にするため、マイクロウェーブによる固定法を開発した。さらに、炭素13(13C)でラベルした基質を用いて、心筋梗塞モデルのグルコースおよび乳酸のトレースイメージングも成功した。虚血の中心部ではグルコースを乳酸に変換するとともに、乳酸を積極的にTCAサイクルで代謝していること、虚血の周辺部位ではグルコースを積極的にTCAサイクルで代謝していることがトレースイメージングにより明らかとなった。
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