我々はマウス腹部大動脈瘤モデルにおいて、Hic-5欠損により腹部大動脈瘤の形成および動脈瘤破裂による死亡をほぼ完全に抑制できることを見出した。本研究では詳細な分子メカニズムの解析と共に、胸部大動脈瘤発症を伴う代表的先天性疾患であるマルファン症候群へのHic-5 の関与を検討した。Hic-5欠損によりマルファン症候群の胸部大動脈瘤拡張の増加が顕著に見られた。メカニズムではHic-5が血管平滑筋細胞内TGF-β1シグナルであるSmad2/3シグナルを介して血管組織のリモデリングを制御していることを明らかにした。
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