拡張型心筋症患者の血液では血液凝固カスケードの最終産物であるトロンビンが亢進している事が報告されている。そのため、拡張型心筋症ではこの組織トロンビンが亢進している可能性がある。そこで、我々は拡張型心筋症モデルマウス(∆K210 knock-in mice (B6;129-Tnnt2 tm2Mmto))(DCMマウス)を用いて組織トロンビンが拡張型心筋症の病態に関与しているかどうかを検討した。DCMマウスに直接的トロンビン阻害薬であるダビガトランを投与すると心機能および生存率の改善が認められた。以上より組織トロンビンが拡張型心筋症の病態に関与している可能性が示された。
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