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2015 年度 実績報告書

喘息の気道上皮細胞におけるステロイド抵抗性獲得機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26860598
研究機関千葉大学

研究代表者

横田 雅也  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70721950)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード気管支喘息 / 気道上皮細胞 / 気道過敏性 / Muc5ac
研究実績の概要

気管支喘息患者の5-8%は、ステロイド吸入薬を中心とした従来の治療に抵抗性であり、その病態の解明と新たな治療戦略の確立が急務である。本研究者は、近年、喘息の病態に重要な役割を果たすことが明らかになった気道上皮細胞が、アレルゲン(house dust mite[HDM])刺激を受けた際に発現する遺伝子を網羅的に解析し、コルチゾルを不活性型のコルチゾンへと代謝する、11β- hydroxy- steroid dehydrogenase type 2(11β-HSD2)の発現が上昇することを見出した(未発表データ)。
そこで本研究では、気管支喘息モデルの気道上皮細胞における11β-HSD2の役割、およびヒト気道上皮細胞におけるHDM暴露による11β-HSD2発現機構の解明を目指したが、残念ながらその解明には至らなかった。
一方、本研究者は、HDM誘導性喘息モデルの解析過程で、atypical IkBの一つであるIkBNSを欠損したマウスが気道炎症の増強を示すにもかかわらず、気道過敏性はむしろ減弱することを見出した。次いで、骨髄キメラマウスを作成し、1)血球系細胞においてIkBNSを欠損したマウスでは、気道炎症および気道過敏性がともに増強する一方、2)非血球系細胞においてIkBNSを欠損したマウスでは、気道炎症は増強するものの気道過敏性は減弱することを示した。また、IkBNS欠損マウスの気管上皮細胞では、喘息の気道過敏性に関わる主要なムチンであるMuc5acの発現が減弱していることを示した。さらにクロマチン免疫沈降法を用いて、気道上皮細胞のIkBNSがMuc5acの遠位プロモーターに結合し、活性化させることを示した。
以上の結果から、本研究者は、気道上皮細胞に発現するIkBNSがMuc5ac産生に促進的に働き、気道過敏性の亢進に関与していることを見出した。この知見が、難治性喘息の新規治療戦略の確立に役立つものと期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 気道上皮細胞に発現するIkBNSのアレルギー性気道炎症における役割2016

    • 著者名/発表者名
      玉地智宏、横田雅也、横山裕亮、前沢裕子、須藤明、鈴木浩太郎、廣瀬晃一、中島裕史
    • 学会等名
      日本アレルギー学会学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京都千代田区)
    • 年月日
      2016-06-19

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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